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ニュースリリース

安全性を追求した『モニタリングスイッチ付油圧バルブ』を市場投入

2005年8月30日
株式会社不二越

 ナチ不二越は、今般、油圧事業において、高圧・高精度制御・省エネ・コンパクト化に加え、機械の安全性を大幅に高めることに寄与できる『モニタリングスイッチ付油圧バルブ』を開発し、9月から市場投入する。「安全」に対する意識が高まるなかで、他社に先駆けて(国内初)母機の安全確認システムの構築に貢献できる商品を市場投入することにより、市場で確固たるポジションを築き、油圧事業の拡大をめざす。

*油圧バルブ:油圧ポンプで生み出された圧油の方向などを制御して、シリンダーやモーターなどの
           油圧アクチュエーターへ送り込み、動作をコントロールする機器。

1.油圧機器に対するニーズの動向
  •  油圧機器は、土木建設機械、工作機械、射出成形機、プレス機械など、強力で自在なパワーを必要とする産業機械の分野で幅広く使用されており、産業機械の高機能化に伴い、要素部品である油圧機器に対するニーズも高度化、多様化している。

    (1) よりハイパワー (2) 高精度な制御 (3) 省エネ・省スペース (4) 高い安全性

    *パワーや制御精度など本来的な機能に加えて、より低コストで、トラブルや災害のない安全な作業環境を確保したいというニーズが、年々高まっている。
  •  とくに安全面については、2003年11月に、機械安全の国際規格ISO12100が制定され、日本においても同様に、2004年11月にJIS B9700が制定されるなど、作業上の安全確保に対するとり組みが本格化している。
  •  今後、安全性の追求、規格への対応から、安全に対する考え方は、従来の“異常を検知して動作をストップする”「危険検出型」から、“安全が確認されないと運転許可されない”「安全確認型システム」が、世界的な標準仕様となってくる。
2.当社の油圧事業のとり組み
  •  当社の油圧事業は、1958年に、社内の工作機械用の油圧機器を内製することからスタートした。以降、社内で培ってきた「ハイパワー、省エネ・コンパクト」な油圧技術をセールスポイントに、産業機械市場で相応のポジションを築いている。とくに、ミニショベル用の油圧ポンプ・モーターについては、世界マーケットシェア40%(1位)を有する競争優位商品へと成長した。
  •  工作機械やプレス機械などの分野では、「環境、人に優しい油圧技術」をコンセプトに、省エネ、省スペース、安全・環境配慮型の商品展開をすすめており、2000年には、省エネ・コンパクト型の標準油圧ユニットシリーズ、2003年には、ACサーボモーター搭載の「パワーマイスター」シリーズ(電力消費量1/10の超省エネとミクロン単位の高精度な制御を両立)を開発し、市場投入した。
  •  同時期に、競合メーカーに先駆けて、油圧バルブで海外3大安全規格であるCE(欧州)、UL(米国)、CSA(カナダ)の認証を取得し、あわせて鉛フリー化にとり組むなど、世界市場で安心して、安全に使用したいというニーズに応えている。
  •  さらに、今般、機械安全の国際規格ISO12100が制定され、「安全」に対する関心が高まるなかで、当社は、国内ではじめて母機の安全確認システムの構築に貢献できる、『モニタリングスイッチ付油圧バルブ』を開発し、9月から市場投入する。
    シリーズ第1弾
    • SAW-G01シリーズ(スプールタイプ、最大流量100L/min、最大圧力35MPa)
    • SCW-G03シリーズ(ポペットタイプ、  〃   50L/min、 〃 21MPa)
  •  当社は、今回発表の『モニタリングスイッチ付き油圧バルブ』をはじめとした、産業機械向けの油圧機器(省エネ・安全・コンパクト・高機能対応機種)を、新ブランド『Legato』シリーズと位置づけ、9月から積極的に打ち出し、当社の技術優位性をアピールしていく。(8月30日開催の第21回フルードパワー国際見本市に出展)
3.モニタリングスイッチ付き油圧バルブの特長
  •  母機の「安全確認型システム」の構築に使用可能。
    正常な停止状態(=スプール(方向切り換え弁)が中立状態=安全状態)時に、はじめてスイッチが“ON”になる構造を採用。母機側にてその信号の確認がなされないかぎり、運転許可しないしくみ(安全確認型システム)を構築できる。
  •  圧油の流れる方向を制御するスプール自体がスイッチとなって、機械的に切り換えるため、スプールの動作を確実に検出することができる。(特許出願中)
  •  スイッチ部分には、電子部品、磁気素子を使用していないため、温度や磁気の影響による動作の誤差がほとんどなく、精度の高いスイッチ信号が得られる。
  •  スイッチ部以外は、従来の標準油圧バルブのスペックと同等のため、既存の機械への置き換えが容易である。

尚、モニタリングスイッチ(電気接点)は、油浸型なので、使用する油圧作動油は石油系作動油のみの対応となる。

4.ねらいの市場と目標売上金額
  •  プレス機械をはじめ、工作機械など産業機械分野で、「安全確認型システム」のニーズが高まっており、今後の需要の拡大が見込まれる。また、安全確認以外としては、バルブの切り換え信号をシーケンス制御用としても活用できる。
  •  当面の売り上げ目標は、次の通りである。
       2006年度:2億円/年間  2010年度:10億円
以上
問い合わせ先 (株)不二越 部品事業部(油圧)
TEL 076-438-8973(直通)
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