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自動車変速機用油圧ソレノイドバルブ事業を拡大(取材メモ)

2008年5月
株式会社不二越

 ナチ不二越は、自動車変速機用油圧ソレノイドバルブの旺盛な需要と高度化する品質ニーズに応えるため、今般、直動型比例弁の専用工場を新設し、3月から本格的に生産を開始した。2010年には、自動車変速機用油圧ソレノイドバルブの売上を1.4倍にひき上げる。

1.自動車変速機用油圧ソレノイドバルブの需要が拡大
(1)自動車変速機用油圧ソレノイドバルブとは

 自動車のアクセルの開閉やエンジンの回転数などの電子情報を総合的に判断し、走行条件に応じてギヤシフトやクラッチの締結を行なうなど、自動変速機(AT)、無段変速機(CVT)を最適に制御する油圧アクチュエーター(切換弁、シフトバルブ、比例弁など)。
  近年、自動車の燃費向上をねらいに、ATの多段化(4速→5〜8速へ)、無段(CVT)化へと進展しており、自動車変速機用油圧ソレノイドバルブの需要が拡大している。
 当社は、工作機械や建設機械分野で培ってきた油圧制御・設計技術と、自動車用ベアリングの生産技術(量産技術、品質保証技術)を融合し、切換弁を中心に高品質な自動車変速機用油圧ソレノイドバルブを製造、自動車メーカー各社へ提供している。

(2)直動型比例弁の動向と特長

 一段の低燃費化、乗り心地向上のニーズが高まり、直動型比例弁の需要が拡大。
 これまで、パイロット比例弁とシフトバルブ、切換弁で変速クラッチを制御していたが、AT、CVTの軽量化、省エネルギー化、スムーズなギヤシフトをねらいに、 それぞれのクラッチを直接比例弁で制御する「直動型比例弁」の需要が拡大している。

 当社は、主力の切換弁で培ったノウハウをベースに、ベアリング、油圧機器、材料・熱処理、機械加工技術を結集し、世界トップレベルの品質・性能をもつ直動型比例弁を開発。自動車・自動車部品メーカーから高い評価を得ている。

<当社の直動型比例弁の特長>
a)摺動部にボールベアリングの技術、独自の機械加工技術を採用し、摩擦抵抗を低減。
  低温時においても高い応答性を実現。
b)CAE(Computer Aided Engineering)による磁場解析で、形状を最適化。
  電磁吸引力を1.6倍に向上し、安定した圧力制御を可能に。

2.直動型比例弁の生産体制を増強
(1)需要の拡大に応え、直動型比例弁の生産能力を拡大

  新工場を建設し、直動型比例弁の専用ラインを構築。今後の需要の大幅な拡大を想定し、順次生産設備を増強する。そして、2010年までに、生産能力を3,600千個/年まで高める。

(2) 全数品質管理システムを確立

 組立、検査ラインを完全クリーンルーム化し、ほこりなどの異物混入防止を徹底。
 また、調達品や工程内の品質情報を2次元バーコードで全数一括管理するなど、品質トレーサビリティ体制を確立。

(3) 生産性を大幅に向上

 加工、組立、検査工程において、ロボット化をはじめとした自動化ラインを構築し、生産性を大幅に改善する。

3.自動車変速機用油圧ソレノイドバルブ新工場の概要
  • 床 面 積: 2階建て 延べ床面積10,800平方メートル
  • 人   員: 120名(2010年度)
  • 投 資 額: 約40億円
4.今後の事業計画

  基盤商品である切換弁に加え、直動型比例弁の生産体制を順次増強し、自動車変速機用油圧ソレノイドバルブ事業全体の売上高を、2010年までに約1.4倍の80億円にひき上げる。

以上
(株)不二越 部品事業部(カーハイドロリクス)
TEL 076-471-2320(直通)