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ミニ建機用油圧機器の新工場を建設し、生産体制を増強する

2006年12月25日
株式会社不二越
1.ナチ不二越の油圧事業

 当社の油圧事業は、省エネ・コンパクト・ハイパワーというつよみを活かし、一般産業機械用(構成比 約45%)、建設機械用(40%)、自動車用(カーコントロールバルブ)(15%)に戦力を集中し、各分野で確固たるポジションを築いている。

 一般産業機械用では、工作機械向けのソレノイドバルブ、標準油圧ユニットで国内トップシェアを有しており、とくにソレノイドバルブについては、2004年4月に新工場を建設し、生産能力を大幅にひき上げて、昨今の工作機械業界の旺盛な需要に応えている。また、プレス機械用では、2003年にACサーボモーターを一体化した省エネルギー油圧ユニット「パワーマイスター」を市場投入するなど、業界をリードしている。

 一方、建設機械用では、ミニ建機用(6t未満)の走行モーター、旋回モーター、ピストンポンプにおいて、世界トップシェア(約50%)を有し、世界のほとんどのミニ建機メーカーに納入して高い評価を得ている。

 2006年度の油圧事業の売上高は、一般産業機械向け・ミニ建機向けの市場拡大を背景に、前期に比べ12%増収となる360億円を確保する見通しである。

2.ミニ建機向け油圧機器の市場動向

 ミニ建機市場は、2003年以降、日本・ヨーロッパで堅調に推移していることに加え、アメリカ、アジア等で急激に拡大しており、2006年の年間生産台数は130千車に達する見通しである。 (2003年(約80千車)に比べて1.5倍以上の伸び) また、中期的な見通しについても、アメリカ市場の伸長、中国やASEAN市場の本格化が予想され、年間需要台数は160千車超に達する見通しである。

 当社は、2005〜2006年に東富山事業所の増築、生産設備の拡充、ロボット化推進など生産性の向上にとり組んできたが、カスタマーの一段の需要拡大に対し、今般、滑川事業所内に新工場を建設して、生産能力の拡充と生産性向上を実現し、ミニ建機向け油圧事業の業容拡大をはかる。

3.ミニ建機用油圧機器の生産体制と新工場の概要
  • 油圧モーター新工場を新設
    • 滑川事業所内に油圧モーターの新工場を新設する。そして、生産設備を集約・増強し、さらにロボット化・自動化を推進することにより、走行モーター月16,000個生産体制(現状比1.6倍)を構築する。
    • 工場面積は、140mx115m=16,100m2と、現在の東富山事業所ポンプ・モーター工場と同等規模。 月20,000個ベースの生産スペースを確保し、将来のさらなる増産体制に備える。
    • 工場内は、機械加工、組立検査、塗装梱包、部品・素材ヤード、物流倉庫のエリアに区画し、設備の稼働状況や工程仕掛、在庫の「見える化」をはかり、リードタイムの短縮と棚卸資産の縮減をすすめる。
    • 品質・機能を左右する重要部品の製造を社内にとり込み、品質保証体制の強化と、カスタマーの需要変動へのフレキシブルな対応を可能にする。
  • 生産性を大幅に向上・・・現状対比30%アップ
    • 機械加工工程は、ロボット(自社製)中心のセル型生産システムを採用し、ラインの無人化と、寸法測定自動フィードバックによる自工程完結型の全数品質保証体制を確立する。
      とくに、ロボットについては、工作機械へのワークの着脱だけでなく、ストッカーへの搬送やバリ取りなど、多機能型のロボットを導入する。
      (新工場には、現工場の約2倍となる60台程度のロボットを導入予定)
      (従業員は、抜き取りチェックや工具交換のみで、一人当たりの工作機械の持ち台数を増やす)
    • 機械加工セルを複数ライン化して、変種変量生産にフレキシブルに対応する。
    • 組立・検査工程については、ロボットと自動検査装置の組み合わせにより、全数品質保証と大幅な省人を実現する。
    • 組立・検査工程から塗装工程までを連結し、自動塗装ラインを構築する。また、各工程間の搬送は、AGV(無人搬送車)を活用し、フレキシブルな工程内自動搬送システムを採用する。
    • 環境・防災面に配慮して、工作機械のクーラントには水溶性切削液を採用し、濃度調整や補給を自動で行なう。切り屑回収については、切り屑と切削液との分離、自動回収を行なう。
  • 既存工場の再編
    • 東富山事業所の油圧ポンプ・モーター工場については、需要が急増している旋回モーターとスキッドステアローダー用モーターの生産設備を集約・拡充し、生産能力と生産性を大幅にひき上げる。
    • 試作加工ラインを新設し、商品の開発・改良、ライン改善、補修部品の生産、従業員の教育等に活用していく。
    • 新工場、既存工場とも、余裕スペースを持たせ、新商品の立ち上げなどに機敏に対応できるよう、拡張性のある工場レイアウトにする。
  • 設備投資額:総額40億円
    スケジュール:2006年12月着工、2007年秋竣工・生産開始予定
4.油圧事業の中期目標

 ミニ建機用の油圧機器を中心に、生産能力の拡充、生産性の向上、新規カスタマーの開拓を推しすすめ、2010年には、油圧事業トータルの売上を、500億円へひき上げる。
(2006年度対比4割増)

以上
問い合わせ先 (株)不二越 部品事業部(油圧)
TEL 076-438-8973(直通)
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