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7軸垂直多関節の新プラットフォームロボット「プレスト MR20」を開発
「フレキシブルハンド」、「ビジョンセンサー」とセットで、産業機械分野の市場を拡大する

2007年11月20日
株式会社不二越

 ナチ不二越は、より人間の「腕」に近く、複雑な作業が可能な7軸構造の新プラットフォームロボット「プレスト MR20」を開発した。これに、多彩なワークをつかむ「手」である「フレキシブルハンド」、「目」の役割の「ビジョンセンサー」をセットで市場投入し、産業機械分野など広く市場開拓をすすめる。
                           *Presto(プレスト):敏捷。中小型ナチロボットのブランド

1.ナチ不二越のロボット事業の特長
(1)ものづくりの分野でつよみを発揮

 当社のロボットは、機械加工や機能部品事業で培ってきたメカニカル技術、制御技術を活かし、溶接や搬送、加工などものづくりの分野で、世界トップクラスの性能とマーケットシェアをもっている。

(2)グループ内の各工場・工程でアプリケーション技術・ノウハウを蓄積

 切削工具、ベアリング、油圧機器、特殊鋼など社内の生産ラインにおいて、自社製ロボットを積極的に導入(約300台)。自動化による生産性と品質の向上を推進する中で、ロボット本体や要素技術の開発・改良に加え、アプリケーション技術、ノウハウの蓄積にとり組んでいる。
 今回開発したプレストMR20、フレキシブルハンド、ビジョンセンサーについても、社内で導入し、テスト、改良を重ねて、商品化に成功した。

2.産業用ロボットの市場動向
(1)産業機械分野で需要が拡大

 これまで自動車、電機・電子産業はいち早くロボットの導入をすすめ、日本のリーディング産業としてものづくりを牽引してきた。一方、それらを支える幅広い一般産業機械分野では、ロボット化が浸透していない状況にあり、今後は、自動化(人手不足対策)、コスト対応、品質向上等の観点から、産業機械分野でロボットの需要が拡大すると予想される。

(2)用途、ニーズが多様化

 ロボットの市場が拡大する中で、溶接、搬送という従来型の用途に加え、機械加工や組立、パレタイジングなど、より複雑、多様な作業がロボットに求められる。こうしたニーズに応えるため、(1)ロボット本体の高機能化、(2)ハンドやセンサー技術、(3)高度なアプリケーション開発が重要となっている。

3.プレストMR20の特長
(1)7軸垂直多関節構造のフレキシブルでコンパクトなアーム

 一般的な6軸多関節型ロボットに対し、1関節加えた7軸構造とした。これにより、より人間の「腕」に近いフレキシブルな動作を実現した。
 とくに、工作機械へのローディング・アンローディング(ワークの着脱)では、機械側面からのロボット作業が可能になり(これまでは機械正面での作業)、機械の操作性や、段取り・保全等の作業性の向上、機械間の省スペース化(6軸構造に比べ1/2以下へ)を実現する。

(2)大きな手首トルクで最大30kgまでハンドリング可能

 ロボットの先端部(手首)のトルク(回転力)を、従来の6軸構造のロボットに比べて約2倍に増強し、標準仕様で20kg、動作範囲設定により最大30kgのハンドリングが可能になる。(従来型はMax15kg)
 また、ロボットの可搬重量のアップにより、多様なハンドが装着可能になり、適用範囲の拡大が期待できる。

4.ロボットの要素技術を拡充

プレストMR20にフレキシブルハンドとビジョンセンサーを組み合わせ、フレキシブリティ、信頼性を向上

(1)フレキシブルハンドを開発

 機械部品、板金部品、樹脂部品など多彩なワークをつかむ「手」として、あらゆる形状にフィットするフレキシブルハンドを開発。形状や大きさが異なるワークに対し、つかむ方向や指の開閉ストローク(Max200mm)を無段階に設定が可能なため、ハンド交換が不要、ロボット本体と同一のコントローラー(制御装置)で、同期制御を可能にした。
 また、非常停止時や電源ダウン時にも保持力をキープし、ワークの落下を防止する新機構を採用するなど、安全面・品質面にも配慮した。

(2)ビジョンセンサーを充実

 人間の「目」にあたるビジョンセンサー(NV−AX)を搭載することにより、ストッカー内のワークの形状、位置、傾き等を瞬時に認識。これまでオペレーターが並べ替えていたワークを、バラ積みされたままで取り出すことが可能になる。
 また、周囲環境(明るさ、背景)の変化に左右されにくい、高い認識力を発揮する視覚3Dセンサー機能(ステレオビジョン、クロスレーザー、レーザースキャンなど)もラインアップした。

5.今後のとり組み
(1)3点セットで市場投入

 2007年国際ロボット展(11/28〜12/1)へ出展し、販売を開始。プレストMR20、フレキシブルハンド、ビジョンセンサーの3点セットで、高度なアプリケーションをアピールする。
 販売促進としては、ナチロボットシステム会(25社)、海外システムパートナー会(40社)、設備流通店会(40社)をはじめとした国内外のパートナー企業と連携し、産業機械分野を中心に市場開拓をすすめる。

(2)新プラットフォームロボットをシリーズ化

 プレストMR20は、基本のプラットフォームをモジュール化し、シリーズ展開を容易にした。 2008年度は、さらに3タイプのシリーズ拡充を行ない、適用範囲を拡げていく。

(3)売上目標(2010年)

プレストMR20:年500台
新プラットフォームロボット全体:年1,000台

以上
問い合わせ先 (株)不二越 ロボット事業部・企画部
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