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説明会資料

ブルームバーグTV 社長インタビュー(2006.8.30 放映)

5月中間決算、好調の背景
工作機械受注統計が示すとおり、国内は好調で、ものづくりの国内回帰や、旺盛な海外需要もあり、各社は繁忙を極めている。自動車向けの設備投資は、一時的に調整局面もありうるが、来年も前年比数%ほどの伸び率で、高水準な高原状態が続くと見ている。
  2005年12月〜2006年5月は、営業利益率が計画どおり8%台に乗った。自動車関連向けの商品が引き続き好調で、加えて産業機械向けが大きく伸びた。市場環境はよく、下期以降もこのトレンドは続くと見ている。
  中間決算発表時に、通期の営業利益を前期比15%増の152億円に上方修正した。実際は、この数字にプラスαできると考えている。
今後の事業戦略
世界トップレベルのコスト競争力をもつ商品群に、開発・サービス面を含めて重点投資する。
  当社は、産業機械向けの売上高が4割あるが、今後はこの割合がもっと増える。ミニショベル向けの油圧機器は、日系メーカーはもちろん、欧米メーカーの注文がたくさん舞い込んできており、まだ全てを消化しきれていない。油圧以外にも、航空機向けの精密工具や、印刷機械向けの精密ベアリングをはじめとした商品も、堅調に推移している。
  設備投資は、2004〜06年の3年間で400億円と言ってきたが、計画を上積みし、2005〜07年の3年間で500億円ほどになりそう。投資対象は、油圧機器やベアリングを中心に、精密工具、工作機械の加工工場などで、2008年までには完了させたい。海外展開においては、需要やカスタマーの動向をにらんで投資していく。
金利上昇、原材料費の高騰の影響はあるか
現状の金利レベルでは、当社にとって大きな影響はない。0.5%を超えてくると、自動車などの消費の動きが、部品や設備に廻って、ボディーブローの様に利いてくることはありうる。仮に来年、金利が上昇したとしても、これまで実施してきた設備投資効果を最大限に発揮し、損益分岐点を引き下げるとり組みを同時にすすめて、企業の安定と成長をはかっていく。
  設備投資は、当面、100億円を限度に借入すれば、500億円を十分に賄える。キャッシュフロー経営という考え方に幻惑されたくない。いま、投資をしなければ大きなチャンスロスを生む。

レアメタル高騰により、商品の一部で影響はあったが、いまは需給バランスが落ち着いてきた。価格転嫁という観点では、まだ十分とは言い難い。ひきつづき、カスタマーにお願いしていく。
  NYの先物原油相場は70ドルの大台をつけたが、今後は一方的に上がっていくとは考えにくい。当社の業績に直接大きな影響はないが、景気全体の冷え込みが心配になる。
ロボット業界の動向は
昨日、工作機械の受注が1兆2,000億円から1兆4,000億円に上乗せされた。ロボットの需要動向は、設備投資関連の指標として重要になる。
  2006年5月、ロボット工業会の会長就任時に、2006年度の生産高予想を前年比2%増の6,800億円とした。2000年には、6,400億円にあった生産量が2年間で一気に4,000億円まで落ち込むという、需要減退に対するトラウマが未だ残る。
  しかし、いまの景況感を見るかぎり、2006年度は7,000億円台に乗る。そして、2010年には1兆円規模になるだろう。いま主流をなしているロボット以外に、需要のすそ野が拡がらなければならない。今後、我われ工業会やメーカーの課題でもある。

  現在、ロボット需要の大半は自動車と電機・電子向け。日本のものづくりを支えている産業機械向けには導入例が少なく、手つかずの状況にあった。未だ3K職場が存在し、省人化の需要もあって、人手作業をロボットへと置き換えるだけで、市場が拡大する。人型ロボットと、自動車と電機・電子産業向けの中間に大きなマーケットが存在する。
不二越では工場内に自社のロボットを導入
当社の油圧機器や工具、ベアリングの工場内には、約200台の自社製ロボットが稼働している。富山事業所にはロボットの使われ方を見に来るお客がずいぶんと増えてきた。
  自動車向け以外のロボットでは、世界に先駆けて9世代に対応した大型のガラス基板搬送用ロボットを市場投入した。これから大いに期待できる。
  これまで、ロボット部門は必ずしも収益に貢献しなかったが、これからは、用途開拓をすすめ、会社全体の収益安定に繋げる。設備投資計画のなかで、自社製ロボットを500台にまで引き上げていく。
2010年に向けての中期経営計画
中期的な業績、とくに数字をコミットメントすることで、数字が一人歩きすることに疑問を感じている。賛否両論になるだろうが、大ぐくりの中期目標として、営業利益率10%、配当10円(配当率20%)を掲げ、この目標に向かって1年ごとに着実に成長していきたい。そのプロセスはとくにはディスクローズしない。経営者に委せてもらいたい。
  今期の配当は7円を考えているが、配当性向でいえば、やはり25%から30%が一つの目安になる。