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モジュール化ラインの内歯車加工に最適 スカイビングカッタ

遊星歯車装置を構成する主要要素である内歯車となるリングギヤ。その加工法の1つとして100年以上前にドイツで考え出されたスカイビング加工は、歯車形状のカッターとワークに軸交差角を持たせて噛み合わせ、カッターをワーク軸方向に送りながら歯切りしていきます。1970年代前半に日本でもトライされるものの、加工機の剛性やカッターの寿命の問題で実用に至りませんでした。

近年、材料やコーティング技術、カッターの製造技術、NC 技術(高精度な同期を可能にする)などの進歩や、高出力ダイレクトドライブモーターによる工作機械の剛性やシミュレーションによる解析技術が向上したことから、再び、スカイビング加工への注目が集まり、評価が高まっています。

不二越は、これまで培ってきた工具の設計技術や歯車製造技術、表面処理技術を活かし、長寿命かつ高精度な加工を可能とするスカイビングカッタの商品化に成功しました。

従来のシェーパー加工に対し加工能率が2倍以上になり、ヘリカルブローチと同等レベルの工具費で加工できます。また、スカイビングカッタは、複合加工機に取り付けて容易に内歯車加工ができます。とくに、需要変動に柔軟に対応できる月産1万個以下のモジュール化ラインでの生産効率やコストダウンに大きく寄与できる注目株の商品です。

  • 加工能率はシェーパー加工の2倍以上を実現
  • 初期費用を低く抑えられる
    (カッター単価はヘリカルブローチの25分の1)
  • 複合加工機などの汎用機で使用でき、需要変動に対応するモジュール化ラインに最適
  • これまで培ってきた歯車加工と工具設計の技術を活用し、切削のメカニズムを解析
    高精度な加工と工具の長寿命化を実現
  • スカイビング加工に必要な表面処理技術を確立
    最適化した膜の成分設計と成膜プロセスに、表面改質をプラス
スカイビング加工とは

ワークとカッターに軸交差角を与えてすべりを発生させ、そのすべりを利用して歯車の歯を創成する加工法

ワーク(遊星歯車装置用リングギヤ)